鍼灸師が教える自律神経を整えるセルフケア5選

ブログ

「自律神経を整えたい」

「めまいなどの自律神経失調症はどのように治療したらいいの?」

上記のように自律神経失調症の症状で悩んでいる方やそれらを改善する方法を知りたいという方も多いのではないでしょうか。

セルフケアで自律神経を整え、症状の改善を図ることは可能です。

そこで、鍼灸師の筆者が自律神経とは何か、おすすめのセルフケア方法を5つ紹介します。

ぜひ、普段の生活に取り入れてみてください。

自律神経とは

自律神経とは呼吸や消化、心臓の動き、体温の調節など、自身の意志とは無関係に働く神経のことを指します。

自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、それぞれバランスを取り合いながら以下のように相反する働きをしています。

交感神経 副交感神経
瞳孔 開く 閉じる
心拍数 上昇する 低下する
唾液 減る 増える
血管 収縮する 拡張する
血圧 高くなる 低くなる
内臓の働き 抑制される 促進する
筋肉 緊張状態 弛緩状態
増加する 減少する

緊張した時には無意識に心臓の動きが早くなったり汗が出てきたりしますよね。

それらは交感神経が優位になっているのです。

交感神経が優位の時は身体が緊張状態なっており、副交感神経が優位の時はリラックスしている状態となります。

交感神経が優位になっている時に自律神経失調症の症状が出るのです。

自律神経が乱れる原因

自律神経が乱れる原因は過度なストレスや睡眠不足、食生活、ホルモンバランスの乱れなどです。

なかでも、ストレスが大きな要因と考えられています。

ストレスの発散が苦手な方やリラックスするのが苦手な方は自律神経が乱れやすいと考えられています。

自律神経失調症は、どんな症状なのか

自律神経失調症では、以下のような症状が見られます。

  • だるさがある
  • 疲れやすい
  • イライラしやすい
  • 落ち込むことが多い
  • 便秘や下痢になることが多い
  • 寝たいのに眠れない
  • 寝ても疲れが取れない
  • 動悸や息切れ
  • ほてり
  • 頭痛
  • めまい
  • 耳鳴り
  • 手足の痺れや冷え
  • 食欲低下
  • 大量の汗

これらのように自律神経失調症では多彩な症状が見受けられます。

自律神経を整えるセルフケア

自律神経を整えるためには、副交感神経を優位にすることが重要です。

そこで、自律神経を整えるセルフケア方法を5つ紹介します。

  • 深呼吸する
  • 鎖骨ストレッチ
  • 寝る前のスマホ断ち
  • 入浴でリフレッシュ
  • ツボ押しでリラックス

どれも普段の生活に取り入れやすいので、今日から試してみてくださいね。

❶深呼吸する

1つ目のセルフケアは深呼吸をすることです。

普段、私たちは無意識に胸式呼吸をしています。

胸式呼吸は浅く速い呼吸で交感神経を優位にするため、深呼吸で副交感神経を優位にしてあげましょう。

腹式呼吸のやり方は以下の通りです。

  1. お腹を膨らませるように鼻から息を吸う
  2. 10秒ほどかけてゆっくり口から吐く

腹式呼吸に慣れていない方は手をおへそ当たりに置くと、お腹の膨らみを感じられます。

❷鎖骨ストレッチ

2つ目に紹介するのが鎖骨ストレッチです。

自律神経のバランスが崩れていると鎖骨の周りにある筋肉が緊張します。

また、疲れが溜まっていたり姿勢が崩れていたりすると首や背中の筋肉を必要以上に使ってしまうため、緊張状態となります。

そのため、ストレッチをして鎖骨周りの緊張をほぐしてあげましょう。

鎖骨ストレッチのやり方は以下の通りです。

  1. 肩を後ろに5回ほど回す
  2. 鎖骨のすぐ下を小さな円を描くようにクルクルとマッサージする(2往復ほど)
  3. マッサージで痛かった部分を5回〜10回ほど押す
  4. 親指を使って脇の付け根と胸の間をマッサージする
  5. 再度、肩を後ろに5回ほど回す

ストレッチはお風呂上がりや寝る前などリラックスできる環境でするのがおすすめです。

❸寝る前のスマホ断ち

3つ目のセルフケアは寝る前のスマホ断ちです。

寝る前にスマホを操作するとスマホのブルーライトにより脳が日中だと勘違いをし、睡眠の妨げや自律神経の乱れを引き起こします。

寝る前には手の届かないところにスマホを置いたり、寝る部屋にスマホを持ち込まないようにしたりすることが重要です。

寝る前の1時間前からは使用を控えましょう。

❹入浴でリフレッシュ

4つ目に紹介するのが温浴交代の入浴法でリフレッシュする方法です。

温浴交代の入浴法は自律神経を整えるだけではなく、睡眠の質をあげたり疲労を回復したりする効果があります。

温浴交代の入浴法は以下の通りです。

  1. 入浴する前にコップ1杯ほどの水を飲む
  2. 一度、浴槽に浸かり、いつも通りに頭と顔を洗う
  3. 40度のお湯に3分浸かる
  4. 浴槽から出て25度〜30度のシャワーを肘〜指先、ひざ下〜つま先まで同時に30秒ほど浴びる
  5. 3と4を3セット繰り返す
  6. 最後にゆっくりと呼吸しながら40度のお湯に3分浸かる
  7. 体を洗い、お風呂から上がる
  8. 体を拭いたらコップ1杯の水を飲む

寝る時間の2時間前に入浴を済ませておきましょう。

❺ツボ押しでリラックス

最後に紹介するセルフケアがツボ押しです。

今回紹介するツボはデスクワークやパソコン・スマホなどで疲れが溜まっている方におすすめの攅竹(さんちく)と太陽です。

攅竹(さんちく)は眉頭辺りの窪みにありますが、見つからない場合には目頭から眉頭まで指を上に動かしていくと見つかります。指を動かしていき、痛い部分があったらその部分が攅竹(さんちく)です。

攅竹(さんちく)のツボ押しは以下のやり方でやってみてください。

  1. 両手を重ね合掌をする
  2. 親指を両方の攅竹(さんちく)に置く
  3. 頭を下げる(親指に頭の重みを感じるまで)
  4. 15秒キープする

15秒キープするときに深呼吸をしながらやるのがおすすめです。

次に、こめかみ辺りにある太陽の場所とツボ押しのやり方を紹介します。

太陽は目尻とこめかみの間にある窪みの部分のことです。

見つからない場合には、眉尻からこめかみに指を滑らせてみましょう。こめかみの手前に窪みが見つかります。

太陽のツボ押しは以下のやり方でやってみてください。

  1. 机やテーブルに肘をつく
  2. 両方の親指の付け根を太陽に当たるように置く
  3. 少し頭を下げて頭の重みでツボを押す
  4. 頭を左右に動かしながら5秒×3セット続ける

攅竹(さんちく)と太陽は、眼精疲労の解消はもちろんのこと、精神的なリラックス効果も期待できる万能なツボです。

自律神経を整えるセルフケアとして活用してみてください。

まとめ

この記事では、自律神経や自律神経失調症の症状、おすすめのセルフケアについて解説しました。

ストレス社会の今、誰もが自律神経失調症になる可能性があります。

今回紹介したセルフケアを取り入れて自律神経を整えてみてください。

セルフケアで改善しない方は鍼灸を受けるのもおすすめです。

鍼灸は自律神経のバランスを整える効果が期待できるため、自律神経の乱れが気になっている方はぜひ、施術を受けてみてくださいね。

関連記事