病院を転々とさせられた、めまい症・・・

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こんばんは。院長の脇田です。

今日は、めまい症についての症例報告です。

 

一年近くめまい症に悩まされ、日常生活にも支障が出ていた60代女性Aさん。

昨年の秋くらいから回転性を伴うめまい症に悩まされて

いたそうです。吐き気感や、倦怠感が強く家事もこなせず

一日寝ていることもあったそうです。

 

鹿児島市外からご来院のAさん。地元の病院に数件通った

らしいです。整形外科・脳神経外科・内科・耳鼻科……

脳の器質的異常は認められなかったものの

詳しい原因は分からず、吐き気を抑える薬を出され

飲み続けたそうです。

 

しかし、薬を飲んでも度々訪れるめまい・・・

病院を転々とし、毎度変わる薬・・・

 

そして最後には、メンタルクリニックを紹介されたらしいです。

当院に来られた際にお薬手帳を拝見しましたが

うつ病の薬も処方されていました。

 

当院は紹介で来られたのですが、南薩にある病院を受診

した際、院内で出会った見知らぬ方に症状を聞かれ

「鶴亀堂さんへ行かれたら」と言われたそうです。

私自身も、その方が誰なのか想像もつきません(^^;

 

詳しく問診を取りましたが、これまでの病院での検査や

処方されている薬に対して不安感や不信感を抱いておられ

ました。

 

患者様は特に吐き気感や不眠を訴えられており

胃腸の問題、自律神経の問題ではないでしょうか!?

と聞かれたのですが、私自身気になる点が多いでした。

・症状に波があること

 

・回転性を伴うめまいであること

 

・朝起きた時から、めまいがおきること

 

・午前中調子悪く、午後から軽快することがあること

 

・横になるときつくなり眠れない時が多々あること

 

・頚部カラーを着用してから少し調子が良い気がする

 と言われたこと

 

など、やはり、めまいによる症状が大きいと感じました。

 

過去に当院に受診された患者様の頭位めまい症に

症状が極似していたからです。

 

過去に2回、交通事故歴もあることから【脳脊髄液減少症】の有無

脳腫瘍・脳出血等の有無を精査し

めまいの原因をしっかりと判断すべきと考えました。

 

当院が連携の取れる脳神経外科クリニックを紹介し

ドクターへの依頼状を手渡し、受診してもらいました。

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病院受診後、患者様から

ドクターからの診療情報提供書を受け取りました。

 

頭部MRI(脳腫瘍・脳出血など)異常無し

頭部MRA(脳動脈瘤など)脳血管の異常無し

問診・検査の結果【良性発作性頭位めまい症】と

判断しましたと書かれていました。

 

やはりビンゴでした。

 

【良性発作性頭位めまい症】とは

 

寝たり起きたり、

寝返りを打つなど急に頭を動かした際に発作的に

ぐるぐる回るような回転性のめまい数十秒続くのが

特徴です。

 

吐き気も伴います。

 

原因は、耳の内耳にある三半規管の耳石の一部が

何らかの要因で剥がれ

三半規管内を移動してしまうことにより起こります。

 

過去の交通事故で頭部外傷を受け、耳石の剥がれを

起こしたのではないかと思います。

 

頚部カラーをして症状が軽快したのは、

頭を急に動かす行為が制限されたからだと思います。

 

はっきりとした診断名が確定し、患者様は大変喜ばれて

おりました。

 

それもそのはず、飲まなくても良かったであろう薬も

処方されていたわけですから・・・

 

この症状は、他のめまい症と違い安静にしていれば治る

ものではありません。

 

移動した耳石を元の場所へ戻さなくてはいけないので

頭を動かすことが必要となります。(頭部変換法)

 

 

当院での治療で、少しずつ緩解してきています。

一年近くも悩まされてきた症状です。

一日でも早く、治るよう尽力したいです。

 

 

みなさんの周りに、もしこのような症状で

悩んでおられる方がいましたら

脳神経外科など病院での診察を勧めてあげてください。

 

 

 

 

 

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