「最近、以前より頭痛がする」と頭痛について悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
その頭痛は食いしばりが原因の緊張性頭痛かもしれません。
食いしばりは食事の時と比べて数倍の負担がかかっており、頭痛以外にも歯の欠損や顎関節症、めまいなど様々な症状がでます。
そこで、この記事では食いしばりと頭痛の関係をはじめ、頭痛の種類や対処法などを紹介します。
頭痛と食いしばりの関係
頭痛と食いしばりは一見、関係がないようにも見えますが、深い関係があります。
その理由は食べ物を噛む時に、頭の横の筋肉も使っているためです。
人は食事の際に食べ物を細かく噛み砕きます。このときに以下の4つの咀嚼筋を使っています。
- 咬筋:頬骨〜下顎にかけての筋肉
- 側頭筋:こめかみ〜後頭部にかけての筋肉
- 内側翼突筋:上顎〜下顎にかけての筋肉
- 外側翼突筋:頬骨〜耳にかけての筋肉
咬筋は食べ物を噛み砕く際に使われる筋肉です。内側翼突筋は口を閉じたり下顎を持ち上げる役割があり、外側翼突筋は下顎を前後左右に動かす際に使われる筋肉となっています。側頭筋はこれらの筋肉を補助する役割を持っている筋肉です。
このように噛む動作では4つの咬筋が使われています。
食いしばりは咬筋や内側翼突筋、外側翼突筋だけではなく、側頭筋も使っているのです。
食いしばりが起きると力が加わり、筋肉が緊張状態となります。
そして、長時間食いしばりが起こると側頭筋が凝った状態となり頭痛へと繋がることもあります。
頭痛の種類について
頭痛は大きく分けて、「一次性」と「二次性」の2種類あります。
一次性の頭痛は身体に問題がなく、病気などが原因ではない状態の頭痛です。
二次性の頭痛は蜘蛛膜下出血や脳出血、脳腫瘍、髄膜炎、脳炎、事故などの頭部外傷によって起こる頭痛のことを指します。
一次性の頭痛は片頭痛や緊張性頭痛、群発頭痛などが該当します。
片頭痛は目がチカチカする、モヤモヤするなどの閃輝暗点と呼ばれる前兆が特徴の頭痛です。吐き気や嘔吐を伴うことがあり、片側がズキズキする頭痛が見られます。
緊張性頭痛は締め付けられているような痛みの頭痛です。
群発頭痛はするどい痛みが特徴で、1日に数回頭痛が見られ、その状態が数日〜数ヶ月続く頭痛です。
食いしばりと大きく関係する頭痛
食いしばりで見られる頭痛は「緊張型頭痛」です。先述した一次性の頭痛の中でもっとも割合が多い頭痛となります。
側頭部あたりが締め付けられるような感じの痛みや重さが特徴で、後頭部や首筋にかけても痛みがみられることがあります。
緊張性頭痛は筋肉が緊張し、血行が悪くなることで起こるため、食いしばりで筋肉が緊張すると起こる可能性が高いです。
食いしばりはストレスや自律神経の乱れによって交感神経の働きが強まり、身体が緊張している状態の時に出やすいと言われています。
また、食いしばりは「寝ている間にしている」と思われがちですが、実は日中にも食いしばりをしている方が多いです。
無意識のため気づかない方が多いですが、日中の食いしばりによって「お昼から急に頭痛が出る」ということもあります。
食いしばりは姿勢によって程度が変わる
食いしばりは姿勢も深く関係しており、長時間のパソコン操作や足を組むなど、正しい姿勢を維持できていない場合に食いしばりが強く出やすいです。
また、骨盤が後ろに傾いている状態や猫背などの悪い姿勢も食いしばりに繋がります。
悪い姿勢は上半身が緊張しやすく、筋肉も緊張状態となります。
ずっと力が入っている状態では力を抜くことができず、慢性的な頭痛へと繋がることもあるのです。
そのため姿勢にも注意が必要です。
緊張型頭痛かなと思った方へおススメの対処法5選
普段の生活に取り入れられる対処法を5つ紹介します。
緊張型頭痛かなと思った時にはぜひ、取り入れてみてください。
❶ ストレッチの習慣化
1つ目の対処法は「ストレッチの習慣化」です。
ストレッチには以下のような効果が期待できます。
- 血行を良くする
- 筋肉の緊張をほぐす
自宅でストレッチをする場合には、お風呂上がりがおすすめです。
ストレッチにはリラックス効果もあるため、寝る前に行いましょう。
また、日中に頭痛を感じたら肩や首を回すのがおすすめです。
❷ 咬筋マッサージ
2つ目の対処法は「咬筋マッサージ」です。
マッサージをすることで筋肉の緊張を和らげることができます。
どこをマッサージしたらいいかわからない方は両頬に手のひらを添えて、力を入れて噛んでみてください。
すると固くなる筋肉があります。その部分が咬筋です。
また、硬い部分は凝っている箇所なので、指の腹を使って優しくマッサージしてみてください。
マッサージをする時には口を軽く開けて、力が入っていない状態で行いましょう。
❸ 寝る前のスマホ断ち
3つ目の対処法は寝る前のスマホ操作を断つことです。
スマホの明るさによって、脳が昼間だと思い込み、深い睡眠を得ることができません。
寝る前のスマホ操作は自律神経の乱れや目の疲れを引き起こす可能性があるため、自律神経を整えて目を休めるためにも就寝の2時間前にはスマホの操作をやめるのがおすすめです。
❹ 鼻から冷気を入れる
4つ目に紹介するのは「鼻から冷気を入れる」方法です。
クーラーや冷たいおしぼりを鼻に当て、鼻から冷気を入れてあげましょう。
冷気を入れることで脳がクールダウンし、頭痛の改善が見込めます。
❺ 1分瞑想
5つ目の対処法は「1分瞑想」です。
瞑想は呼吸を整え、自律神経の乱れを改善する効果が見込めます。
瞑想は座った状態でも横になった状態でも大丈夫です。
目を軽くつむり、4秒かけて息を吸い、6秒かけて吐くようにしましょう。
瞑想は緊張型頭痛だけではなく、ストレスを感じた時や疲れを感じた時にもおすすめです。
まとめ
この記事では、食いしばりと頭痛の関係や頭痛の種類などを紹介しました。
食いしばりでみられる頭痛は緊張型頭痛です。
筋肉が緊張状態にあることが原因のため、朝起きた時だけではなく、日中もみられることがあります。
今回紹介したストレッチやマッサージ、瞑想などを行っても改善がみられない場合には、鍼灸治療や整体などで体を整えてあげるのがおすすめです。